灼熱の砂漠。6人の若い労働者が穴掘りに精を出す。
地面に突き刺さるスコップ。
ひとすくいずつ砂は穴の外に捨てられる。
したたり落ちる男達の汗水は地面にしみ込むまでもなく蒸発していく。
彼らには穴に対するそれぞれのこだわりがある。
深さ、大きさ、形。
6人で1つの穴を掘る。
透明なビニールに包まれて埋まっていた。
女が掘り返される。
その女はすぐに息を吹き返す。
労働者を見ると突然、爆発するように泣き出す。
錯乱して、泣き喚く。まるで赤ん坊のように。
穴はより深く、深く、掘り進められていく。
掻き出される砂とともに、感情の詰まった秘密が明かされていく。
人々は突き進めばその先に何かがあると信じている。
そこにはただ、穴があるだけだ。
|